2025.02.09

東筑軒のかしわめしを楽しむ夢の一日!炊きたてを食べる&折尾駅で立売り体験

東筑軒のかしわめしを楽しむ夢の一日!炊きたてを食べる&折尾駅で立売り体験

こんにちは。福岡のなかみ編集長の大塚たくまです。

福岡の駅弁といえば、何を想像しますか。ぼくはそう、かしわめし一択です。その中でも、今日は東筑軒のかしわめしの話がしたいと思っています。

「うわ、東筑軒のかしわめしをそんな知らんのに開けちゃった……」

大丈夫です。ちゃんとそんなあなたにも届けます。かしわめしの「なかみ」を、余すことなく。さあ、東筑軒のかしわめしの話をしましょう。

東筑軒のかしわめしとは?

福岡のソウル駅弁、かしわめし。東筑軒のかしわめしの販売開始は、なんと1921年。すでに100年以上愛されているというのですから、驚きです。

鶏のスープで炊きあげた甘くて旨味たっぷりのごはんに、かしわ肉と錦糸卵、刻み海苔という完全無欠のコンビネーション。いやぁ、これが最高なんです。

たいへん美しい見た目なんですが、それぞれを味わった後に混ぜて食べると、もっとウマい。

この「混ぜ食い」は邪道感が凄いですが、格段にウマいです。抵抗ある人は、最後の方だけでも、お試しあれ。

ぼくとかしわめしの出会いは、子どもの頃。福岡ダイエーホークスの大ファンだったぼくは、福岡ドームによく行っていました。すると、親父が「折尾のデラックスかしわめし」という、東筑軒の弁当を買ってくれたんです。それがもう、おいしくておいしくて。

打撃練習する吉永幸一郎選手の鋭いファウルボールが、ポールスレスレの一塁側内野自由席に陣取るぼくの横に「ガーン!!」と飛んできても、ぼくはかしわめしに夢中。モソモソと食べ続けていました。

それから、東筑軒が北九州の駅弁であることを知ったぼくは、鉄道で遠出するとなれば、必ずかしわめしをおねだりするようになります。弁当を買うと同封されるリーフレットを読み込んだぼくは「鉢盛かしわめし」の存在を知りました。お年玉で鉢盛かしわめしを買おうとしましたが、親に止められて断念したこともありました。

画像提供:東筑軒

「おとなになったら、鉢盛かしわめしを食べるんだ」

今では私が人の親。もう誰もぼくの欲望を止める人は存在しません。ついにぼくは、ここに到達したのです。

この日の感動は忘れられません。また、何かの機会に食べてやるぜ。

ちなみにぼくが好きなのは、かしわめしだけではありません。駅で立ち食いできる、かしわうどんも最高なんです。

東筑軒のかしわうどんは、甘い出汁とモッチリと柔らかいのにコシがある麺。これがまあ、美味いんですよ。残ったスープと一緒に、具材のないスープで炊いたご飯を握ったかしわめしが、最高に合う。あぁ、写真だけで美味しい!

これも家に取り寄せちゃったことがあるくらい、大好きです。福岡のうどんの中でも、トップクラスに大好きなうどんだけど、あまり語られないよね。美味しいから、もっとみんなで語り合いたいな。

>>東筑軒オンラインショップ

東筑軒の工場で炊きたてのかしわめしを食べたい

遠賀工場(写真提供:東筑軒)

鉢盛かしわめしを食べたぼくには、野望がありました。

「炊きたてのかしわめしを食べてみたい」

もう、欲望は止まらないのです。

「福岡のなかみ」の取材となれば、いけるかもしれない。取材依頼をしてみると、快諾でした!やった。ライターになってよかった。

朝、遠賀町にある工場へ行ってみると、どんどんかしわめしが炊きあがってきていました。

やばい。もうウマそうじゃないか。

大きなしゃもじで混ぜるたびに、モクモクと舞い上がる湯気。その湯気は、ぼくが小さい頃から大好きなかしわめしの香りです。もうだめだ。この空間は、ぼくの食欲を刺激するためだけに存在している。

すみません、ぼくもう我慢できません。食べさせてくれませんか!!

急いでセッティングしてもらい、ぼくは急いでアツアツのかしわめしを口へ運びます。

はふっ

うぅぅぅぅん……☆

口に入れた瞬間に広がるかしわめしの甘い香り。アツアツだからこそ、普段の駅弁より香りが立っているように思います。そして何より違うのが、炊きたてのごはんのホックホクの食感。これは今までに食べたことがないかしわめしです。飲み込んだ後にも、芳醇な鶏の香りが包み込んでくれました。あぁ、幸せ。今ぼくは、生きています。生きているから、うれしいんだ。

……とはいえ、ちょっと駅弁のかしわめしよりもさっぱりしすぎている感じもしました。

駅弁のかしわめしの方が、かしわめしの「味」はしっかり感じられて、美味しい気がします。普段のかしわめしが、冷めた状態で美味しく食べられるように調整されていることも、試食したことでより実感できました。

売っているかしわめしって、美味しいんだなぁ。

その後、ぼくはかしわめしに乗せる「かしわ」の製造工程も見学。ひな鶏と親鶏の中間くらいの鶏肉が使用された、しっかりとした噛み応えがお肉は魅惑的です。うわあ、やばい。ウマそうだわ……。

すみません、ぼくまた我慢できません。食べさせてくれませんか!!

なぁんだ! 準備万端じゃないですか

へへへ…… ちゃんとね、レポートしますからね

炊きたてのかしわめしに、仕上がったかしわ肉をひと思いに握る。握る。握る。ぼくの欲望おむすびの完成です。

はふっ

後から写真を見てびっくりしました。

なんですか、この顔は。ぼく、こんな顔するんですね。なんとだらしがない、幸せそうな顔なのでしょうか。

こんなに食べる取材者、おるんやろか。

工場で食べる背徳感もあってか、尋常じゃなくウマかったです。今後、かしわめしを食べる時、毎回この工場試食を思い出すと思います。ちなみに、電子レンジで軽く温めれば、炊きたてのかしわめしっぽい食感は味わえますよ。それにしても、よい体験でした!

東筑軒のかしわめしを駅で立ち売りしてみたい

さあ、かしわめしを思う存分に堪能したところで、次の欲望があります。

「かしわめしを駅で売ってみたい」

実は東筑軒の駅弁って、今でも駅での立ち売りが行われているんです。ぼくは、これまで駅で売っているものを購入したことはありましたが、立ち売りを見たことはありませんでした。でも、こんな写真は見たことがあります。

写真提供:東筑軒

ぼくもこの格好をして、駅で駅弁を売ってみたい。そう思って、東筑軒さんにお尋ねしてみると、なんとこちらも快諾。東筑軒さん、何でもOKしてくれる。ありがたい。

実は上の写真に写っている、小南さんは東筑軒が誇るレジェンド販売員さん。体験する前に、小南さんに駅弁の売り方を教えてもらうことにしました。

そんなに難しいことはしてませんよ

小南さんはすくっと、立ち上がりました。

みなぁぁぁぁさま!! おつかれぇぇぇええええ〜〜〜〜さま〜〜〜です!!

折〜〜〜〜〜〜〜尾のぉぉ♪♪

??????

 かし〜〜〜〜〜わめしベんとォーーーー♪♪♪

物静かな印象だった小南さんは突然、腕をファサファサと揺らしながら、遠い目をして歌い始めました。静かな会議室に小南さんの透き通りすぎた歌声が、響き渡ります。

ちょ……ちょっと待ってください!

ぼくも負けじと立ち上がります。どうしても伝えないといけないことがあります。

無理ですわ

小南さん、ごめんなさい。ぼくは、立ち売りをどこかでナメていたのかもしれない。ちょっと工場で浮かれすぎたかな。軽率に考えていました。こんなに「思ってたんと違う」ってことって、あるんだね。なんか37年生きてきて、世の中を知った気になっていたのかな。

難しくない! ちょっと恥ずかしがらずに声を出すだけ! できます!

「東筑軒のかしわめしです!いかがでしょうか!」みたいな感じかと思ってました。まさか踊りながら歌っているなんて。ホントにこんな風に売ってるんですか?

もちろんです! 私は自分を広告塔だと思って、真面目に責任を持ってやっています。ほら、行きましょう! 絶対できます!!

小南さん、アツいなぁ……。ちなみになんで腕をファサファサさせてるんですか?

かしわめしは「鶏」だからですよ! 羽です!!

すごく真面目な方なんだろうなぁ……

小南さん、すごく良い方だ……。めちゃ恥ずかしいけど、これは本当に貴重な体験かもしれない。よおし、これは覚悟を決めて、折尾駅へ乗り込みます。

折尾駅へ到着すると、さっそく小南さんが仕事に入りました。

かし〜〜〜〜〜わめしベんとォーーーー♪♪♪

本当にホームで歌って踊っていました。これは凄い光景です。そりゃ、話題になるわ……。周囲のお客さんがザワつかないところから、これが日常の光景なんだということが伺えます。

お客さんから声をかければ、買う気がなさそうな人でも笑顔でおしゃべり。確実に折尾駅を明るく照らしてくれています。すごい存在感の弁当売りです。

なんと向かいのホームに向かっても、歌って踊っています。

向かいのホームにはやらなくて良くないですか? どうせ買えないんだし

いやいや、広告塔ですから、ちゃんと宣伝しないと! 覚えてもらったら、次に会った時に買ってくれるかもしれないじゃないですか

もうとにかく、小南さんがめっちゃ真面目なよい方なんです。見てるだけで感動してしまいます。これは、ぼくもやるしかない。覚悟を決めました。

次、いきましょう

次の列車が到着すれば、ぼくも、舞います。鶏のように。

さあ、列車が到着しました。

到着した列車に手を降ってご挨拶!そして始まります。

みなーーーーさま♪♪ おつかれ〜〜〜さまです♪♪

始まりました。ぼくも小南先輩のマネをして、行きます!

かしわ〜〜〜〜めしべんと〜〜〜〜!!!!!

小南さんは、いろんな方と目があっているけど、ぼくは誰とも目が合わない。自分の姿は誰にも見えていないのか?幽霊になったような気分です。やはり新入りには厳しい世界なのか。それでも、ぼくはめげずに続けました。

最後はちょっと、小南さんとグルーヴできた気がしました。全体の様子は、こちらの動画をご覧ください。

これからも東筑軒のかしわめしが大好きです

知らなかったできたてのかしわめしの味と、知らなかった立ち売りの光景。どれも全身で体感できて、とても幸せな取材でした。

これからもぼくは東筑軒のかしわめしを愛し続けようと思います。ありがとうかしわめし。ありがとう東筑軒。

「近くで売ってないから買えないよ」という方。冷凍ならお取り寄せ可能です。ぜひぜひチェックしてみてください〜!

>>東筑軒オンラインショップ

<編集後記>

基本情報

店名 株式会社東筑軒
住所 福岡県北九州市八幡西区堀川町4-1
電話番号 093-601-2345
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ライター情報

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大塚たくま

「福岡のなかみ」編集長。福岡のフリーライター、編集者。
独自のバズコンテンツ制作ノウハウとSEOの知見をかけ合わせたコンテンツで、便利で面白い記事をつくる。
独自のキャッチーな切り口で深く取材するスタイルを追求する、株式会社なかみの代表取締役。

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